帯状疱疹と単純ヘルペスでは、ヘルペスウイルスの種類が違います。また、単純ヘルペスには1型と2型があり、それぞれ別のヘルペスがウイルスの原因となっています。
帯状疱疹は、激しい痛みとそれに続いて現れる多数の水ぶくれなど、症状がはっきりしているせいか関心も高く、「自分が帯状疱疹を患っている」と自覚する人がほとんどです。実は、帯状疱疹を起こしているヘルペスウイルスとは、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)と呼ばれるヘルペスウイルスです。赤ちゃんの病気としてよく知られている水疱瘡と同じヘルペスウイルスが原因なのです。
ある日突然、体中に赤いぼつぼつの発疹が現れ、同時に38度以上の高熱を出す水疱瘡。症状そのものは1〜2週間ほどで治まり、発疹も消えてしまいます。水痘・帯状疱疹ウイルスは、その後も知覚神経節の中に何十年間もじっと潜み、あるきっかけで帯状疱疹となって現れるのです。
これに対して単純ヘルペスは一般的な「おでき」などとの見分けが難しく、また症状も激しくない場合が多い成果、自分が単純ヘルペスであると自覚している人が少ないのが特徴です。単純という言葉のイメージから「それほど気にする病気ではない」と思っている人もいます。
1980年代にアメリカのタイムズという雑誌が「Herpes」というタイトルで性器ヘルペスが増加していることを大々的に特集した結果、ヘルペス=性器ヘルペスというイメージを持っている人もいます。しかし性器ヘルペスは、単純ヘルペスのひとつの表れ方に過ぎず、単純ヘルペスは体中どこにでも発症します。
しかも、単純ヘルペスは感染力が強く、出生時に赤ちゃんの脳にダメージを与えるなど、時に深刻な状況をもたらすことがあります。単純ヘルペスは、とても誤解の多い病気なのです。
ヘルペスはヘルペスウイルスに感染することで発症します。感染症ですから、人から人へとうつります。水痘・帯状疱疹ウイルスは水疱瘡という形で感染を起こします。一方単純ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスが繁殖している水ぶくれ(水疱、疱疹)に触れたり、単純ヘルペスを発症している人の唾液などで、人から人へとうつっていきます。
ヘルペス、特に単純ヘルペスは感染しやすい(させやすい)ということを、まずはっきりと知っておくと良いでしょう。
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