ヘルペスウイルスがお腹の赤ちゃん(胎児)に与える影響は二つあります。一つは母親にかかっているウイルスが子宮の中にいる胎児に感染して異常が出る場合で、これを「胎内感染」あるいは「胎児感染」と呼んでいます。とはいえ、大変発生頻度の低いものです。
胎内感染を引き起こすのは、一般的にいうと母体にヘルペスウイルスが初感染した場合です。ヘルペスウイルスは細胞を壊す力が強いので、もし子宮内の胎児に感染しますと、おそらく自然流産してしまうのではないかといわれています。
しかし妊娠中にヘルペスウイルスに感染することは大きな問題があります。それは新生児全身性ヘルペス症という病気を発症する可能性があることです。この病気は大変恐ろしいもので、致死率が70%以上ともいわれています。
この病気は、生まれてから2〜3日目から一週間くらいの間に症状が発症します。最初は元気がなく、お乳を飲む量も少なくなるという症状が始まり、その後微熱が出たり、肝臓が腫れたり、紫斑が出たりという症状を呈します。そのうち全身状態が極度に悪化し、1週間〜10日間程度で死んでしまうという病気です。この場合は、ヘルペスウイルスは、副腎、肺、脳などで増殖してこれらの臓器を壊してしまいます。
成人のヘルペスウイルスの感染症では、皮膚や粘膜に水疱や発疹が出現しまうが、新生児全身性ヘルペス症では、皮膚症状が出るのが30〜40%と少なく、特徴的な症状が出ないことも手伝って、診断が遅れることがしばしばあります。
最近の統計では、性器ヘルペスが増加の傾向にあることから、新生児ヘルペスも増加しているようです。
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2008年03月31日
2008年03月12日
妊婦と帯状疱疹・水疱瘡
帯状疱疹は、発症した局部だけの疾患であって、免疫不全がない限り全身的なウイルス血症ではありません。したがって、妊婦の人が帯状疱疹になっても、胎児に対する影響は考えなくてほぼ大丈夫です。
しかし、同じヘルペス性の病気である水疱瘡の場合は、事情が異なります。妊婦の水疱瘡は、妊娠初期(13週〜20週)では、約2%の赤ちゃんが「先天性水痘症候群」にかかります。妊娠中期以降では、ウイルスが胎盤を通っておなかの赤ちゃんの神経節に感染し、生まれてきた赤ちゃんが幼児期に帯状疱疹を発症することがあります。
また、出産直前に母親が水疱瘡にかかると、生まれてきた赤ちゃんが水疱瘡になることもあり、生まれた時期によって症状が軽い場合と、非常に重い場合があります。
帯状疱疹でも、全身に多数の発疹が見られるような広範囲で重い症状の場合は、水疱瘡と同様に考えて対処したほうが賢明です。こうしたことはまれとはいえ、妊婦の場合、早めの抗ウイルス薬の使用で症状を軽く済ませることが大切です。
水痘・帯状疱疹ウイルスの潜伏期間は約2週間で、体内で免疫が生産されるのには発症してから1週間かかります。生まれた直後に水疱瘡の症状を示した赤ちゃんは、母親からウイルスと免疫を両方もらってきたため、症状が軽くて済むのです。一方、生後しばらくして発症した赤ちゃんのケースでは、赤ちゃんは母親からウイルスだけをもらい免疫をもらえなかったことが重症化の原因となってしまうのです。
しかし、同じヘルペス性の病気である水疱瘡の場合は、事情が異なります。妊婦の水疱瘡は、妊娠初期(13週〜20週)では、約2%の赤ちゃんが「先天性水痘症候群」にかかります。妊娠中期以降では、ウイルスが胎盤を通っておなかの赤ちゃんの神経節に感染し、生まれてきた赤ちゃんが幼児期に帯状疱疹を発症することがあります。
また、出産直前に母親が水疱瘡にかかると、生まれてきた赤ちゃんが水疱瘡になることもあり、生まれた時期によって症状が軽い場合と、非常に重い場合があります。
帯状疱疹でも、全身に多数の発疹が見られるような広範囲で重い症状の場合は、水疱瘡と同様に考えて対処したほうが賢明です。こうしたことはまれとはいえ、妊婦の場合、早めの抗ウイルス薬の使用で症状を軽く済ませることが大切です。
水痘・帯状疱疹ウイルスの潜伏期間は約2週間で、体内で免疫が生産されるのには発症してから1週間かかります。生まれた直後に水疱瘡の症状を示した赤ちゃんは、母親からウイルスと免疫を両方もらってきたため、症状が軽くて済むのです。一方、生後しばらくして発症した赤ちゃんのケースでは、赤ちゃんは母親からウイルスだけをもらい免疫をもらえなかったことが重症化の原因となってしまうのです。
2008年02月20日
ヘルペスと妊娠
妊婦が単純ヘルペスに感染している割合は、日本では約14%、アメリカで約30%という調査結果があります。
母子感染のリスクは、性器ヘルペス初感染で50%、再発では0〜5%程度ですが、妊婦が神経節に潜在的な単純ヘルペスウイルスをもっているだけでは、お腹の赤ちゃんにうつることはありません。
単純ヘルペスウイルスにお腹の赤ちゃんが感染すると、赤ちゃんが髄膜炎を起こしたり、場合によっては重大な脳炎を起こしたりして20〜30%は死亡するといわれています。
また、産道を通るときに赤ちゃんが単純ヘルペスウイルスに感染すると、脳などに、命にかかわるほど重大な障害を生じる恐れがあります。帝王切開などによって、赤ちゃんへの感染を防ぐことが必要です。
新生児ヘルペスの統計をとったところ、母親からの感染がほとんどでしたが、性器ヘルペスからの感染だけではなく、母親またはその他の家族からの感染例もありました。
単純ヘルペスに感染したことのないお母さんから生まれた赤ちゃんは、お母さんから免疫をもらわずに生まれてきます。そのため、出生後に母親以外から単純ヘルペスウイルス1型の感染を受けると、致死的な症状を示すことがあります。
母親に口唇ヘルペスがある場合も、病院によっては3週間は母子別室にして、授乳をさせない場合もあります。
生後1ヶ月までの新生児にとって、単純ヘルペスウイルスとは恐ろしい存在で、感染防止にこれほど気を使う必要があるのです。しかしこの時期を過ぎれば病気に対する抵抗力もついてくるため、心配はそれほど必要ありません。
患者さんの中には、性器ヘルペスと不妊の関係を心配する人もいます。しかしヘルペスに感染しているからといって妊娠できないということはありません。不妊原因で一番多い性感染症は、性器クラミジア感染症です。
ただし、性器ヘルペスをもっている人の90%はクラミジア・トラコマティスの免疫を持っていると報告されています。
性器ヘルペスがあり妊娠を希望するのであれば、性器クラミジア感染症の検査も受けたほうがいいと思われます。
母子感染のリスクは、性器ヘルペス初感染で50%、再発では0〜5%程度ですが、妊婦が神経節に潜在的な単純ヘルペスウイルスをもっているだけでは、お腹の赤ちゃんにうつることはありません。
単純ヘルペスウイルスにお腹の赤ちゃんが感染すると、赤ちゃんが髄膜炎を起こしたり、場合によっては重大な脳炎を起こしたりして20〜30%は死亡するといわれています。
また、産道を通るときに赤ちゃんが単純ヘルペスウイルスに感染すると、脳などに、命にかかわるほど重大な障害を生じる恐れがあります。帝王切開などによって、赤ちゃんへの感染を防ぐことが必要です。
新生児ヘルペスの統計をとったところ、母親からの感染がほとんどでしたが、性器ヘルペスからの感染だけではなく、母親またはその他の家族からの感染例もありました。
単純ヘルペスに感染したことのないお母さんから生まれた赤ちゃんは、お母さんから免疫をもらわずに生まれてきます。そのため、出生後に母親以外から単純ヘルペスウイルス1型の感染を受けると、致死的な症状を示すことがあります。
母親に口唇ヘルペスがある場合も、病院によっては3週間は母子別室にして、授乳をさせない場合もあります。
生後1ヶ月までの新生児にとって、単純ヘルペスウイルスとは恐ろしい存在で、感染防止にこれほど気を使う必要があるのです。しかしこの時期を過ぎれば病気に対する抵抗力もついてくるため、心配はそれほど必要ありません。
患者さんの中には、性器ヘルペスと不妊の関係を心配する人もいます。しかしヘルペスに感染しているからといって妊娠できないということはありません。不妊原因で一番多い性感染症は、性器クラミジア感染症です。
ただし、性器ヘルペスをもっている人の90%はクラミジア・トラコマティスの免疫を持っていると報告されています。
性器ヘルペスがあり妊娠を希望するのであれば、性器クラミジア感染症の検査も受けたほうがいいと思われます。
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